平成8年度春季関東学生将棋



 大学野球、学生相撲などと同様に、将棋にも「大学将棋」と いうものがあります。毎年春と秋には、各地方で個人戦・団体戦が 行われ、夏には各地方の代表を集めた学生名人戦が、冬には同じく 各地方の代表を集めた十傑戦(学生王将戦)、そして団体戦の全国 大会(通称王座戦)が行なわれます。

 大学将棋の団体戦は、1チーム7人で戦います。団体戦にはまた 個人戦と違った醍醐味があります。

 というわけで、今春の関東リーグ戦の結果です。

A級 勝点勝数順位
東京大 -- 37
慶應義塾大 -- 32
早稲田大 -- 38
筑波大 -- 16
神奈川大 -- 22
一橋大 -- 10
明治大 -- 23
日本大 -- 18

 全勝者 斉藤 剛(明治大4年)

      優勝      2位
BI級  東京理科大   千葉大
BII級 東京工業大   東京都立大
CI級  横浜市立大   東京農業大
CII級 茨城大     帝京大
D 級  東京薬科大   成城大
 まず、関東学生棋界の情勢ですが、昨年は東大・早大・慶大の三つ巴 状態で、春・秋とも三すくみで三校が勝点6で並び、勝数で順位が決まる という展開で、春は早慶東、秋は東慶早という順でした。また、年末の 王座戦には東大・早大が出場し、東大が優勝、早大が2位でした。

 しかし、東大・慶大は昨年レギュラー陣が4人ずつ抜けて戦力が低下。 一方、早大は2人抜けたものの高校タイトルホルダーが新たに2人入部し、 戦前は「早大時代到来か」と言われていました。

 しかし、始まってみると東大も結構好調で5回戦まで全勝。一方 早稲田も5回戦の早慶戦を制して全勝で、6回戦の東早戦は全勝対決と なりました。なお、慶大は4回戦でも筑波にも敗れており、2敗で 優勝争いから完全に脱落しました。

 そして6回戦。メンバー的に早大やや有利と思われたのですが、 東大が「互角、もしくはやや不利」というところをどんどん勝って いき、早々と4つ勝って勝ちを決めました。しかし、残りは早大が 意地を見せ、終わってみると4ー3でした。

 この時点で東大は勝点6、勝数35、最終戦は慶大。早大は勝点5、 勝数33、最終戦は明治。というわけで、最終戦東大が勝てば文句なしの 優勝、負けた場合でも東大の勝数+早大の敗数が5以上なら東大の 優勝です。

 ところが、最終戦、東慶戦は東大の2ー5ペース、早明戦は早大の 5ー2ペース。形勢が途中二転三転した将棋もありましたが、結局 結果はこの通りで、勝数1差で早大の優勝が決まりました。

 なお、優勝した早大は、夏に北海道で行われる東日本大会に 関東代表として出場します。

 それから、それに先立って行われた個人戦の結果です。

優勝  石井  豊(東海大4年) ベスト8 中野 和則(神奈川大4年)
準優勝 久保本晃夫(東大3年)       林  隆弘(早大2年)
3位  杉原  徹(東大3年)       豊島  英(早大4年)
4位  中川 貴幸(青学大2年)      関向 邦人(慶大3年)
 石井君は3回目の優勝です。

 また、女流戦の結果は次の通りです。

優勝  伊藤 瑞穂(慶大2年)
準優勝 小西 千鶴(横浜市立大4年)
3位  馬場さやか(立教大2年)
4位  真壁栄理子(早大2年)
 女流戦は、参加人数も2ケタになり、レベルも上がってきました。 のちに女流アマ名人となる真壁さんですが、この大会では4位です。 また、3位の馬場さんも女流アマ名人戦で3位でした。


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