学生棋界の手引(大会の解説)



学生将棋の大会の解説です。


目次

関東学生将棋連盟主催の大会

関東個人戦
関東女流戦
関東新人戦
関東リーグ戦
選抜トーナメント
古豪新鋭戦
関東オール学生最強者決定戦

北海道・東北・関東三地区合同の大会

東日本大会団体戦
東日本大会個人戦

全日本学生将棋連盟主催の大会

学生名人戦
全日本学生将棋十傑戦
全日本学生女流名人戦
全日本学生将棋団体対抗戦(王座戦)

日本将棋連盟主催の大会

全国オール学生選手権団体戦
全国オール学生選手権個人戦

日程表


関東学生将棋連盟主催の大会

関東個人戦
毎年春と秋に行われる個人のトーナメント戦。参加は約400人。
3日間かけて行われる。
初日は予選で、2勝あるいは3勝すれば通過である。ただし、 関東幹事(役職なし)はベスト128から参加となるので、1勝すればよい。
2日目からは本戦で、初日の予選通過者+前季のベスト8以上(8シード)+ 関東幹事(役職あり・幹事シード)の合計64人によって戦われる。 (よって、初日の予選通過者数は毎回変動する。) 公式記録に残るのはここからである。2日目は3局行われ、ベスト8が決定する。
3日目は例年春は5月3日、秋は10月10日に、東京将棋会館の和室で行われる (記録係もつく)。

非常に権威のある大会で、「関東で優勝するのは全国で優勝するより難しい」と 言われたこともあったくらいである。また、ベスト64とベスト128、及び ベスト8とベスト16では、本人の気分においても、周りに与える印象においても、 非常に差がある。特に、ベスト8に入れば大体は強豪として学生棋界で認められる (まあ、他での成績があまりにひどいと、2季連続ベスト8入りしても強豪と 認められない、というようなこともあるが…)。

なお、全国大会(学生名人戦、十傑戦)の関東代表はこの個人戦と 団体戦での個人成績に基づいて選考される。選考方法については 各全国大会の項参照。

関東女流戦
関東個人戦の2日目、3日目と並行して行われる女流棋戦。 参加は最近は10人前後。
2日目は予選で、4人が通過。形式は参加人数によって変わるが、最近は もっぱらスイス式トーナメント4回戦である。
3日目は本戦で、関東個人戦と同じく将棋会館の和室で行われる。

なお、関東ではまだ女性が関東個人戦初日を突破したことがないが、 もし突破したらどうなるのだろう?(2日目が女流戦と重なってしまう)

関東新人戦
その年入学した人によって行われるトーナメント戦。参加は80名くらいか?

関東リーグ戦
学生将棋の本場所。7人制の団体戦。毎年春と秋、個人戦に続いて行われる。
A、BI、BII、CI、CII、Dの6クラス(各級8校、ただしDは不定、 最近は大体3〜6校)にわかれ、各クラスで総当たりのリーグ戦が行われる。 各級の昇級・降級はそれぞれ2校である。

非常に熱気あふれる大会であり、特に秋の大会は全国大会(王座戦)出場権 (優勝校が関東第一代表)を賭けた白熱した戦いとなる。また、個人の全国大会 (春は学生名人戦、秋は十傑戦)出場権を賭けた争いも面白い。

選抜トーナメント
毎年秋、リーグ戦後に王座戦関東第二代表を賭けて行われる団体トーナメント戦。
A級2位〜6位、および各級昇級校によって戦われる。

王座戦に出場できるのとできないのでは天地の差があるため、非常にピリピリした 雰囲気の中行われる。

古豪新鋭戦
5人制の団体戦。ただし、出場資格はリーグ戦出場3局以下という二軍戦のような もの。また、同じ大学から何チーム出ても良い。
なお、院生も出られるので、たまに凶悪なチームができたりする。

関東オール学生最強者決定戦
毎年8月下旬に行われる大会で、小学生〜高校生も出場資格があるのが特徴。
参加は先着64名。羽生小学生名人が出場したり、屋敷伸之七段(当時中学生)や 北浜健介五段(当時小学生)が優勝したりしたこともある由緒ある大会だが、最近は 強豪の不参加も目立ち、やや権威が下がっている。


北海道・東北・関東三地区合同の大会

東日本大会
毎年8月上旬に、北海道・東北・関東三地区合同で行われるお祭りのような大会。 例年仙台で行われるが、昨年は全日本学生将棋連盟委員長の趣味(?)で札幌で 行われた。
三地区合同コンパも行われるなど非常に楽しい大会で、旅行がてら見物に来る 人もいたりする。

団体戦
5人制の団体戦で、北海道春季優勝校、北海道選抜、東北春季優勝校、東北選抜、 関東春季優勝校、関東幹事、関東選抜I・IIの計8チームの総当たりリーグ戦。
なお、関東選抜は、学生名人戦代表者選考のためにつけられた順位の11〜20位の 10人である(ただし、辞退者がたまにいるので、その場合は繰り上がる)。

個人戦
関東16名+東北・北海道各8名によるトーナメント戦。関東16名の内訳は、 関東選抜10名+関東幹事3名+関東優勝校3名(人選は各大学に任される) である。
なお、ここ13年関東以外からの優勝者は出ていない。


全日本学生将棋連盟主催の大会

学生名人戦
毎年6月上旬に、全国8地区(北海道、東北、関東、北信越、中部、関西、 中四国、九州)の代表32人によって行われるトーナメント戦。各地区の 代表の人数は個人戦の参加人数に比例する。
非常に権威のある大会であり、決勝戦の棋譜は朝日新聞に掲載される。

なお、関東の代表は例年10人であり、

  • 関東個人戦ベスト4以上
  • 同ベスト8のうちリーグ戦で勝ち越した者
  • ベスト16以下のうちリーグ戦成績優秀者(大体個人ベスト16・リーグ戦全勝、 個人ベスト16・リーグ戦6−1、個人ベスト32・リーグ戦全勝、の順)
といった基準で選ばれる。

全日本学生将棋十傑戦
毎年12月下旬に、全国8地区の代表+その年の学生名人16人によって行われる 個人戦で、優勝者には学生王将の称号が与えられる。王座戦に続いて行われる。
学生名人戦と権威は同等だが、知名度はやや低い。
昔は大阪で行われていたが、アマチュア将棋連盟の後援を受けるように なってからは、アマ連本部のある四日市で行われている。

なお、関東の代表は例年5人であり、

  • 関東個人戦優勝、準優勝
  • 同3位、4位のうちリーグ戦で勝ち越した者
  • ベスト8以下のうちリーグ戦成績優秀者(大体個人ベスト8・リーグ戦全勝、 個人ベスト8・リーグ戦6−1、個人ベスト16・リーグ戦全勝、の順)
といった基準で選ばれる。ただし、その年の学生名人は別枠で無条件に出場できるので、 関東から学生名人が出た年は、実質的に枠が一つ増えることになる。

全日本学生女流名人戦
十傑戦と並行して行われる女流個人戦。出場資格は各地区の秋季女流戦に 出場していること(つまり、出たいと言えば出られる)。

全日本学生将棋団体対抗戦(王座戦)
全国8地区の代表校10校(関東と関西は代表2校)の総当たりリーグ戦で、 7人制の団体戦。その年の大学日本一を決める大会であり、東大と早大は 特に気合が入っている。

なお、優勝校は アマチュア将棋団体日本選手権(社会人代表対大学 代表による団体日本一決定戦(7人制))へ招待される。


日本将棋連盟主催の大会

全国オール学生選手権団体戦
毎年9月中旬に行われる、5人制の団体戦。小・中・高校チームも 参加できる。また、同じ学校からの複数参加も可。出場チーム数は40。 (基本的に先着順だが、同一校からの参加チームが多いときは数を制限 されることもある。)
形式はスイス式トーナメント5回戦だが、例年全勝校が2校でて勝数勝負で 決着がつくため、評判が悪い。

全国オール学生選手権個人戦
毎年1月中旬、2日間で行われる個人のトーナメント戦。 小・中・高校生も参加できるが、未だ大学生以外の優勝者は出ていない。
一応全国大会とは言え、交通費は自己負担の上、初日と2日目が 離れていたりすることもあるので、関東以外からはよほど気合の 入った人しか出場して来ない。

一応全国タイトルではあるが、権威はもしかすると関東個人戦より劣るかも。


日程表

日程名称地区種別会期 場所
1月中旬 全国オール学生選手権
個人戦
全国 個人戦 2日間 東京
4月下旬〜
5月3日
春季関東個人戦 関東 個人戦 3日間 関東
4月下旬〜
5月3日
春季関東女流戦 関東 女流戦 2日間 関東
5月中旬〜
下旬
春季関東リーグ戦 関東 団体戦
(7人)
3日間 関東
6月上旬 学生名人戦 全国 個人戦 2日間 東京将棋会館
6月上旬 古豪新鋭戦 関東 団体戦
(5人)
2日間 関東
6月中旬 関東新人戦 関東 個人戦 2日間 関東
8月上旬 東日本大会団体戦 東日本 団体戦
(5人)
2日間 仙台
8月上旬 東日本大会個人戦 東日本 個人戦 2日間 仙台
8月下旬 関東オール学生
最強者決定戦
関東 個人戦 2日間 東京
9月中旬 全国オール学生選手権
団体戦
全国 団体戦
(5人)
1日 関東
9月下旬〜
10月10日
秋季関東個人戦 関東 個人戦 3日間 関東
10月上旬〜
10月10日
秋季関東女流戦 関東 女流戦 2日間 関東
10月中旬〜
下旬
秋季関東リーグ戦 関東 団体戦
(7人)
3日間 関東
11月上旬〜
中旬
選抜トーナメント 関東 団体戦
(7人)
2日間 関東
11月上旬〜
中旬
古豪新鋭戦 関東 団体戦
(5人)
2日間 関東
12月下旬 全日本学生将棋
団体対抗戦(王座戦)
全国 団体戦
(7人)
3日間 四日市
12月下旬 全日本学生将棋
十傑戦
全国 個人戦 2日間 四日市
12月下旬 全日本学生将棋
女流名人戦
全国 女流戦 2日間 四日市


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Contact: kaya@jsk.t.u-tokyo.ac.jp