平成8年度学生王座戦



 四日市で行われた全日本学生将棋団体対抗戦(王座戦)の 詳しい報告をお届けします。

 最終的な結果は次の通りです。

  勝点勝数順位
早稲田大 -- 46
東京大 -- 44
大阪大 -- 30
東北大 -- 37
立命館大 -- 46
九州大 -- 20
北海道大 -- 35
岡山大 -- 16
名古屋大 -- 23
新潟大 -- 18 10

 全勝者 細川大市郎(早稲田大1年)  東野 徹男(東京大3年)
 王座戦は8地区の代表10校の総当たりリーグ戦で、7人制の団体戦です。 1日3局で、3日間に渡って行われます。
 さて、まず優勝争いですが、戦前の予想では早稲田、立命館の力が抜け出ており、 それに次ぐのが東大、と見られていました。

 実際にもそのような展開となり、初日の3局が終わった時点で全勝はこの 3校のみ。そして2日目には、5回戦として東大−立命館戦、6回戦として 早稲田−立命館戦が行われました。立命館は鰐淵啓史君(1年)、近村一輝君 (3年)、山田洋次君(4年)という数々の実績を持つ3人を擁し、下位も 手厚いオーダーなのに対し、東大は3年3強(久保本晃夫、杉原徹、東野徹男) のうち、のち学生王将となる久保本を追試のために欠いた苦しい布陣です。 この戦いはもつれ、3−3から残り1局が延々と続きましたが、結局立命館が 4−3で頂上決戦第1ラウンドを制しました。

 続いて6回戦は早稲田−立命館戦。早稲田も、林隆弘君(2年)を筆頭に、 豊島英君(4年)、細川大市郎君(1年)と強豪を擁しています。この戦いは 4−3で早稲田が制するところとなりました。この結果、早稲田が勝点6・勝数34、 東大が勝点5・勝数30、立命館が勝点5・勝数29となり、早稲田−東大戦を 残すものの早稲田の優勝が濃厚となりました。

 しかし3日目、ラス前の8回戦で早稲田がこれまで2勝5敗とパっと しなかった阪大に3−4で敗れ、優勝争いはにわかに混沌としてきました。

 最終戦前の状況は次の通りです。
早稲田大 勝点7 勝数42 順位1位 最終戦:東京大
東京大  勝点7 勝数41 順位2位 最終戦:早稲田大
立命館大 勝点7 勝数41 順位5位 最終戦:北海道大
(順位は、昨年の同地区の順位+各地区の秋のリーグ戦結果によって決まります)

 つまり、早稲田−東大戦で勝った方と、立命館との勝数勝負。同じ勝数の場合は 順位頭ハネで立命館は負ける、というようになっています。

 なお、早稲田ー東大戦は、関東では今年は春秋とも直接対決では東大が 勝っていますが、優勝は勝数差で早稲田がさらっています。
 さて、早稲田−東大戦は一進一退。ほとんど交互に勝ち星をあげていきます。 一方、立命館は早々と5つ勝ちましたが、後が続かず、結局5−2で北大戦を 終えました。
 そして早東戦は3−3となり、残り1局(六将戦、早稲田・清水俊宏(3年)− 東大・石川淳浩(2年))が延々と続きます。そのうちに他の対局はすべて 終了し、これが王座戦最後の一局となりました。この時点で勝数の関係で東大の 優勝はなくなっており、清水君が勝てば早稲田の優勝、石川が勝てば立命館の 優勝です。この将棋は清水君が終始優勢だったのですが、石川も必死に粘り、 ついに逆転か、というところまで行ったのですが…。
 結局この将棋は清水君が勝ち、早稲田大学が7年ぶり4度目の優勝を果たし ました。早稲田は現役・OB合わせて30名を越える応援団が四日市に来ており、 優勝の瞬間は大歓声が聞かれました。

 それ以外の大学は、東北大が例年どおり安定した力を見せ4位。北大も 5位に躍進しています。一方、新潟大は最終戦の九州大との最下位決戦に 3−4で敗れ、3年連続の最下位となってしまいました。

 王座戦についてはこんなところです。


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